呼吸法を極めるBC720生体健身法、腹式呼吸の集大成

  呼吸法をたった5日間やるだけで、なぜ4kgも健康的にダイエットできるの?


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誰でも簡単に出来る
深呼吸ダイエットたった2つの超簡単秘訣


  エピソードU エジソンの受け売り   

     ■ 内臓脂肪斬りで命取り!
    ■ 内臓脂肪を効率よく減らすための二大必須条件
    ■ 筋肉運動は、内臓の血液循環を悪くする
    ■ 新幹線と自転車
    ■ 「健康日本21」は不健康
    ■ 筋肉を鍛えても、基礎代謝はそれほど上がらない1
    ■ 筋肉を鍛えても、基礎代謝はそれほど上がらない2
    ■ 体脂肪を減らすためなら、筋肉運動は要らない
    ■ 心拍数が上れば上るほど、体脂肪は燃えにくくなる
    ■ 有酸素といえない有酸素運動
    ■ まとめ

■ 内臓脂肪斬りで命取り!

前章で、食事に関する健康論を、科学実験の結果や具体的なカロリー数値を提示して明らかにしました。本章ではまったく違う角度から、ダイエットや健康にとって大切なことはなんなのかについて話します。

早速ですが、簡単な質問からスタートします。

「東京駅から新大阪駅まで一番速く到達できる交通手段は次の二つのうちどれでしょうか。」
A.新幹線 B.自転車

普段、大阪に出張するのに、自転車で東京から出発する人は どこの会社にもいないでしょう。
常識のある人なら、きっとAを選ぶだろうと思います。

現代社会で、東京と大阪の間を自転車で通う人はまずいないでしょうが、肥満またはメタボリックシンドロームを改善・解消しようと、運動に励むことに関しては、ほとんどの人がなんの疑問も抱かないと思います。

ところが、運動で内臓脂肪を落とそうとしているうちに、命まで落としてしまうケースも少なくありません。
2007年8月18日の各新聞に、某市長が発案した減量企画「七人のメタボ侍 内臓脂肪を斬る!」に参加した同市の生活支援課の課長(47歳)の突然死のニュースが報じられました。お盆休み中の14日の朝、自宅近くでウォーキングかジョギング中に倒れ、急性虚血性心不全で死亡したそうです。

かつてジョギングの元祖であるジム・フィックスもジョギング中に心筋梗塞で52歳でなくなりましたが、スポーツによる突然死は、よく知られていることです。 スポーツ中における突然死の原因の多くは、虚血性心疾患と脳血管障害とされています。運動中に心臓と脳を含む内臓が虚血(血流が少なくなる現象)に陥るのは、特別なことではなく、むしろ当たり前のことなのです。

■ 内臓脂肪を効率よく減らすための二大必須条件

2005年の流行語大賞になった「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の、推奨される予防・解消法が二つあります。

1.「脂肪蓄積の進行防止・解消を目的に食事療法による摂取カロリーの適正化」
2.「脂肪燃焼を促す目的での運動療法」

簡単にいうと、お腹のサイズが基準値をオーバーしている人には、「食事を制限しなさい」、「運動をしなさい」と薦めるわけです。

肥満の起因は、食べすぎと運動不足(?)ですから、それを解消または予防するために、食習慣を見直し、運動不足をなんとするのが一番の対策だと考えるのはそう間違いではありません。

しかし、果たしてこの二つの対策だけで本当に肥満は予防・解消できるのでしょうか。
ここでひとつ根本的な疑問が生じます。

内臓脂肪とは、内臓にたまった脂肪のことを指します。
具体的には、肝臓、胃腸などの臓器の周りについている体脂肪が内臓脂肪です。
内臓脂肪を含めて体脂肪は、必要以上に体内に蓄積されるときに問題になるのであって、その本来の、あるいはメインの機能は、エネルギーの貯蔵庫です。

では、必要以上にたまった体脂肪を効率よく減らすにはどうすべきでしょうか。
食事制限と運動の励行だけではだめなのでしょうか。

そう、だめなのです。

これだけでは不十分だという意味で「だめ」なのではなく、脂肪燃焼の前提条件が間違っているという意味で、本当に「だめ」なのです。
では、食事と運動の両方を動員してもだめなら、 その前提条件とやらはいったい何なのでしょうか。

それは二つあります。
まず、脂肪を分解するための十分な酸素を確保することです。
そして、その酸素を全身まで送るための円滑な血液循環です。

この二つの条件は、同時に満たされるべきであり、また同時に満たされうるのです。

食習慣の見直し(端的に食事制限)は、これ以上の脂肪の蓄積を防ぐという意味では有効ですが、十分な酸素を確保するという点に関しては、あまり意味がありません。

筋肉を動かす運動は、筋肉の血液循環という面では申し分ない方法ですが、それ以上の健康効果が期待できるかといえば、それは疑問が残ります。端的に言って、すでに述べたように、内臓脂肪を効率よく減らすためには二つの要素を同時に満たす必要があるからです。

まとめると、
1.エネルギーの貯蔵庫である体脂肪を再びエネルギーに変えるためには、
必要なだけの大量の酸素を確保すること。

2.得た酸素をスムーズに内臓まで運搬させるために、血液循環、
とくに内臓の血液循環を改善すること。

以上の二つの条件を満たさなければ、効率よく内臓脂肪を減らすことができません。
誤解を招かないように付け加えますと、「効率よく・・・できない」というのは、全面否定というわけではありません。

つまり、この二つの条件を十分に満たさなくても、ある程度までの効果は期待できますが、比較的に効率が劣る、効果も低いという意味合いなのです。
その効率の悪さの典型的な例が筋肉運動です。

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■ 筋肉運動は、内臓の血液循環を悪くする

古今東西を問わず、食後すぐに激しい運動をする習慣を人間はしてきませんでした。
物を食べたらそれを消化しなければなりません。エネルギーを調達するための食事・消化にもそれなりのエネルギーがいるのです。

われわれの眼が届かないところで、食事中と食後しばらくは、体内の大半の血液が胃腸を含む消化器官に集中します。もしこのときに、体を激しく動かしてしまったら、血液は、回るべきところに回されず、無理やり骨格筋に回されます。したがって、消化が妨げられてしまいます。

一般の運動生理学の教科書を紐解けば、その理屈は簡単に見つかります。血液は、体内をいつも均等な割合で回るわけではありません。身体の活動に応じてその瞬間瞬間に必要な場所に血液は集中的に配分されるのです。

食事であれば消化器官に、運動であれば骨格筋に、思索や工夫や勉強のときであれば脳に血液は集まるのです。安静の時には体内の血液は次のような分布状況を見せます。

部位 血液分布比率
内臓(胃腸・肝臓・腎臓など) 50%以上
15%
骨格筋 15%

ご覧の通り、筋肉運動を行わず、安静にしているときには、 脳や内臓を含む臓器に60%以上の血液が供給されます。
これに対して運動をしている時、この比率は次のように変わります。

  血液分布比率
運動強度 内臓 骨格筋
軽運動 20% 40%
中程度の運動 10% 70%
最大運動 5%未満 85%以上

これまでの調査によると、運動中の突然死が多くみられたスポーツ種目は、ジョギング、水泳、サッカー、ゴルフなどです。筋肉を動かす運動はやればやるほど、内臓や脳の血液循環が悪くなります。

スポーツをやっている最中に起こる突然死の原因の多くが、虚血性心疾患と脳血管障害であるのはこのためだと言えるでしょう。

■ 新幹線と自転車

風邪や頭痛などでドラッグストアで薬を購入して飲む場合があります。体を治すどんな薬でも「用法と用量を必ず守ってください」 という注意書きが添えられるはずです。

運動による突然死は、用法用量を守らないで服用した薬によって引き起こされる副作用にたとえることができます。
しかも運動は万能薬であるかのような認識が支配的です。運動の直接的・間接的な効用は、
数えると切りがないほどです。なかでも、運動のもっとも直接的な効用として知られているのは、肥満の解消でしょう。 果たして運動は肥満解消にとって直接効く良薬でしょうか。

肥満あるいは内臓脂肪の退治策として運動を選ぶのは、東京と大阪の間を自転車で通うことと同じです。

それは実に効果が低く、効率も悪いです。しかも、交通事故に巻き込まれやすい自転車と同様にケガや死に至るリスクが高いです。

確かに自転車でも、東京から大阪まで行けることは行けます。同じく運動も、肥満の解消やメタボリックシンドロームの改善にある程度は役立ちます。

ここで、その効果はどれほどのものかをAさんとBさんの体験から見てみましょう。
(二つとも実在する人物の実体験です。)

Aさんの実体験:

40代の主婦のAさんは非常にまじめな努力家で、体重を減らすために毎日20キロのウォーキングを連続4ヶ月間実践したことがあります。

ところが、4ヶ月目のある日、Aさんは突然ウォーキングをやめました。
その理由は、膝を痛めてしまって、これ以上歩けなくなったからでした。

4ヶ月間努力した結果、肝心な体重は1.5kgしか減りませんでした。
ウォーキングをやめてから三日間で体重は1.2kg増えました。


Bさんの実体験:

50代の主婦のBさんは運動が大好きで、週3回スポーツジムに通っていました。30分の自転車こぎ、40分のエアロビクス、30分の筋肉トレーニング、そのあとまた40分のサウナでどっさり汗をかくというルーチンで、1回2時間半ほどたっぷりと時間をかけていました。

こうした生活は3年間続けられましたが、それにもかかわらず、標準体重より7kgオーバーの体重は一向に減りませんでした。

(拙著、『「痩せる力」が目覚める!深呼吸ダイエット』より)

こうした事例はまれなケースではないかと疑う人もいるかもしれませんが、決してそうではありません。運動のダイエット効果と効率は実は疑わしいのです。これが単に個別な、特殊な話ではないのは、実際にダイエット目的で運動をしている人の多くは、きっと内心認めるはずです。

その証拠を、今度は、国レベルで見てみましょう。

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■ 「健康日本21」は不健康

厚生労働省と各自治体が推進して、2000年から始まった「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動、期間2000年〜2010年)は、2010年を目途に、生活習慣病改善や医療費削減を目標として提示しました。

その中間評価における暫定実績値を見てみると、糖尿病の有病者・予備軍の数は増加し、 肥満者も増加しています。この結果は、健康状態及び生活習慣の改善は見られなかった、 あるいはむしろ悪化したという現状を露呈するものです。

厚生労働省が発表した「健康日本21」の中間報告書、また国民健康・栄養調査など、公的な統計資料には次のようなデータが公表されています。(データを飛ばして先に進んでもかまいません。途中で気になりましたら、あとで戻って読んでもよいです。)

意識的に運動している人の割合(成人20歳以上)

性別 2000年 2005年 増減
男性 51.8% 54.2% 2.4%増
女性 53.1% 55.5% 2.4%増

運動習慣者の割合(成人20歳以上)

性別 2000年 2005年 増減
男性 28.6% 30.9% 2.3%増
女性 24.6% 25.8% 1.2%増

肥満者(BMI≧25)の割合 (%)

  男性 女性
年代 2000 2005 増減 2000 2005 増減
20代 18.6 19.8 1.2増 6.9 5.6 1.3減
30代 27.3 26.7 0.6減 12.9 14.3 1.4増
40代 28.9 34.1 5.2増 20.2 19.3 0.9減
50代 29.9 31.4 1.5増 23.5 23.9 0.4増
60代 30.7 30.7 0 31 29 2.0減
70代〜 21.7 26 4.3増 27.3 26.5 0.8減

糖尿病患者及び予備軍数(単位:万人)

  1997年 2003年 2010年推定
有病者数 690 740 1080
予備軍 680 880 データなし
合計 1370 1620 -

高脂血症の人の割合

  2000年 2005年 増減
男性 10.5% 12.1% 1.6%増
女性 17.4% 17.8% 0.4%増

 

これらのデータは何を示しているのでしょうか。
「健康日本21」運動が開始した2000年から2005年までの5年間、それが功を奏した格好で、
運動習慣者と意識的に運動に心がける人は増加しました。
にもかかわらず、肥満の人、高脂血症の人の割合、糖尿病の有病者数は、減るところか、逆に増えています。

なぜ、このような結果になってしまったでしょうか?

先述の動物実験をもう一度思い出してください。十分な餌を与えられた動物は運動量を増やしても寿命が延びませんでした。これと同じように、普段の生活で、体の維持に必要以上のカロリーを摂取した人に運動を薦めてみても、肥満や生活習慣病の予防と改善には効果が現れません。

これは、「健康日本21」運動の中間評価の結果がはっきり示していることです。実際に、国は、こうした皮肉な結果に驚いており、計画の何らかの見直しに迫られています。
さて、国はどういった更なる処方箋を提示してくれるのでしょうか。

■ 筋肉を鍛えても、基礎代謝はそれほど上がらない1

「常識は覆されるもの」とよく言われます。
次の常識は、いつ覆されるかは分かりませんが、そこに大きな落とし穴があるのは間違いないでしょう。

その常識とは、「筋肉を鍛えれば、基礎代謝がますます上がる」というものです。
これにどんな落とし穴があるというのでしょうか?

まず、筋肉を鍛えても、基礎代謝は大して上がらない理由を見てみましょう。
筋肉を動かす運動はエネルギーを消費します。筋肉が消費するエネルギーはいったいどれくらいでしょうか。筋肉運動がダイエットに適しているのであれば、それが消費するエネルギー量は大きいはずです。でないと、筋肉運動はダイエットにとってたいした意味はありません。

一般の栄養学の教科書には、安静時のエネルギー消費量(基礎代謝)に関する知識が書いてあります。しかし、この知識の中にすでにひとつの落し穴が潜んでいます。以下において提示するデータは、データそれ自体を疑うのではなく、データの読み方を変えるという点が肝心なので、その辺の誤解がないように願いたいです。

ヒトの安静時の、臓器ごとのエネルギー消費量の比率は、次のとおりです。

臓器
エネルギー消費量の比率
肝臓
21%
20%
筋肉
22%
心臓
9%
腎臓
8%
その他
(胃、腸、肺、血管、骨などを含む)
20%

(木戸康博・中坊幸弘/編「基礎栄養学」 により)

一見すると、数字的には、筋肉(骨格筋)のエネルギー消費量がもっとも多いように見えますが、しかしこれが一番目の落とし穴です。というのも、上の比率には各臓器の重量が考慮されていないからです。

次は各臓器の重量比を見てみましょう。

臓器
各臓器の重量比
肝臓
2.6%
2.0%
筋肉
40.0%
心臓
0.5%
腎臓
0.4%
その他
54.4%

肝臓、脳、心臓、腎臓などの臓器の重量は体重の5%くらいしかありませんが、安静時に全体エネルギーの60%も消費します。 そしてこれに、胃腸、肺、血管などの組織を含めると、内臓が全体消費エネルギーの70%以上も消費することが分かります。

つまり、単位あたりの骨格筋のエネルギー消費量はほかの臓器にくらべると、かなり少ないのです。
肝臓の 1/13
脳の  1/15
心臓の 1/30
腎臓の 1/33

基礎代謝には、生体を維持するために消費するエネルギーと生体を維持するために生産するエネルギーという二つの意味があります。

生体を維持するために「消費するエネルギー」
という側面で考えると、骨格筋を鍛えても、
大して基礎代謝をあげることは期待できないと言えます。

なぜなら、体重の40%を占める筋肉をいくら鍛えても、普段の安静時の22%のエネルギーしか消費しないからです。(安静時のエネルギー消費量=基礎代謝)。 全身の骨格筋の数は約400で、週に数回、1回1時間くらいの筋肉トレーニングをしても、たいした数の筋肉を鍛えることにはなりません。

だから、気まぐれに週に数回筋トレをしてもダイエットの成果がほとんど出ないことは、この落とし穴の確実な証拠です。ゼイゼイハアハアと、一所懸命に筋トレに励むよりは、安静時に肝臓、脳、心臓、腎臓などの臓器機能を高める方がよほど効率的です。 
体重のわずか5%しかないこれらの臓器をフル回転させれば、基礎代謝の6割というところまで大きく上げることができるのです。

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■ 筋肉を鍛えても、基礎代謝はそれほど上がらない2

基礎代謝には、生体を維持するために消費するエネルギーと生体を維持するために生産するエネルギーという二つの意味があると、先ほど言いました。

今度は、生体を維持するために「生産するエネルギー」という基礎代謝のもうひとつの側面から見れば、どうなるのでしょうか。

基礎栄養学の教科書には次のような内容が書いてあります。
健康な成人男子(体重65kg)の基礎代謝として1日に生成するエネルギー物質(ATP)の量を、各臓器のATP生成量の割合で見てみるとこうなります。

臓器
各臓器のATP生成量
肝臓
26.7%
18.8%
筋肉
18.0%
心臓
6.8%
腎臓
10.4%
その他
19.2%

なんと、日々骨格筋で作られるエネルギー物質は、ヒトの基礎代謝の18%に過ぎません。
これに対して、肝臓や脳で作られるエネルギー物質の量は骨格筋より遥かに多いです。そして、前にも話した各臓器の体重との重量比を考えると、肝臓、脳、心臓、腎臓などの臓器の重量は体重の5%くらいしかないけれども、安静時に全体エネルギー(基礎代謝)の62%以上も
生産します。
さらにこれに、胃腸、肺、血管などの組織を加えると、安静時に全体エネルギーの82%以上も生産することが分かります。


このように、生体維持のために日々生産するエネルギー という視点からヒトの基礎代謝を見てみても、 骨格筋を鍛えても大して基礎代謝は上げられない、ということが分かります。

「筋肉を鍛えれば、基礎代謝はますます上がる」、この常識はもはや信じるに足らない、「覆されるべき常識」なのです。

■ 体脂肪を減らすためなら、筋肉運動は要らない

それでもなお次のような疑問を持つ人が多いことでしょう。
「筋肉運動をしても痩せない人は確かに多いが、逆に筋肉運動をして痩せたという人も多い。」
これはどう解釈すればよいでしょうか。

この疑問は一見もっともらしいですが、発想を変えれば、大きな落とし穴に気がつきます。
確かに筋肉運動をして痩せた人もいますが、筋肉運動をしなくても痩せた人も大勢いるのです。

このことは、「痩せた」という同じ結果が筋肉運動によって左右されてはいないということを示しています。言い換えれば、痩せるための必須条件は必ずしも筋肉運動ではないということです。
もし筋肉運動が痩せる直接的な原因であれば、 ほとんどの人は痩せるはずです。しかし、現実はその逆です。

実をいうと、効果的に痩せる(脂肪を減らす)ための秘訣は、筋肉の鍛錬ではなく、呼吸の換気効率と体液循環機能の向上です。なぜなら、脂肪というエネルギー源を分解して燃焼させるのは、 筋肉ではなく、酸素だからです。

運動をする際にも、どれほど酸素を効率よく体内に取り込み、全身の隅々にまで送れるかによって、そのダイエット効果は劇的に違ってきます。実際、呼吸の仕方を一つ変えただけで、同じ筋肉運動をしても体重の減り具合がまったく違ったという体験をした人が多くいます。

体脂肪を効率的に燃焼させるには、まず体内へ酸素を効率的に取り込むこと、それから、取り込んだ酸素を効率的に(血液によって)体内の隅々にまで行きわたらせることが必要です。
この限りでは、筋肉運動は呼吸法と組み合わせることによってのみ効果的です。あるいは筋肉運動で体脂肪を退治するには呼吸とともに挟み撃ちしなければならない、ということです。

効率的な呼吸法がなければ、いくらウォーキングしても、筋トレをやっても体脂肪は思うように落とせません。体脂肪を効率よく燃焼させる決め手は筋トレでもなく、ウォーキングでもありません。
決め手となるのは、どれほど酸素を体内に入れられるか、また、血液循環によってその酸素をどれほど全身の隅々に送れるかということです。

要するに、体脂肪を落とすために絶対に不可欠な要素が二つある、ということです。

1.効率よく酸素を取り入れる呼吸法の実施。
2.酸素を全身に運ぶためのより良い血液循環。

反対にいえば、この二つの要素を満たせば、効率よくダイエットができるのです。
他の面倒なことはほとんど必要ありません。
(もちろん、食べすぎの食習慣の見直しは欠かせません。)

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■ 心拍数が上れば上るほど、体脂肪は燃えにくくなる

最近の運動生理学では、激しい運動よりも、安静にしている時や緩やかな運動の方が、脂肪の消費に適しているということが定説になっています。なぜなら、後者の方が体内の酸素を豊富にするという脂肪燃焼の前提条件をよりよく満たしているからです。
安静時には主に脂肪が消費されます。こういう時には、エネルギー源の約70%が脂肪です。

これに対し、非安静時、すなわち心拍数が最大(心拍数の上限値)の50〜70%の間だと糖質代謝が中心になります。さらにそれ以上、最大心拍数の80%を越えるような激しい運動では脂肪は利用されなくなります。

だから、例えば、有酸素運動として人気のエアロビクスは、張り切りすぎて息を切らすほどにまでやってしまうともはや有酸素運動ではなくなってしまいます。

心拍数と脂質代謝の関係は次のようにまとめることができます。

まず、実年齢に合った最大心拍数を求めます。
210-実年齢(普段から運動をしている人はプラス10を、病気を抱えている、または運動をしない人はマイナス10を加味します。)
以下において、40歳の場合を想定して考えてみましょう。210-40=170、これが40歳の運動時の最大心拍数です。

この最大心拍数の50%(1分当り85回)以下の運動を維持できる場合、エネルギー代謝は(脂肪を燃やす)脂質代謝を中心とするもので維持されます。

つまり、40歳の場合、心拍数85回/分を境目にして、これ以下の心拍数を維持できる運動が、 もっとも減量しやすい運動である、といえます。

次に、最大心拍数の50%〜80%(86〜136回/分)の運動をする場合、エネルギー代謝は(脂肪ではなく血糖を燃やす)糖質代謝を中心とするものに徐々に切り替わります。

最後に、最大心拍数の80%(136〜170拍/分)の運動をすると、無酸素状態に陥り、エネルギー代謝の100%が無酸素の糖質代謝(嫌気的解糖)となります。40歳でこの程度まで心拍数が上がる運動をした場合、いわゆる無酸素運動になってしまい、体脂肪はエネルギーとしてまったく消費されなくなります。

言い換えれば、心拍数をあげてしまう運動をすればすれほど、体脂肪は燃えにくくなるのです。

■ 有酸素といえない有酸素運動

こうした運動生理学の理屈を突き詰めると、いわゆる有酸素運動は、実は有酸素ではない
ということになります。こうした帰結に対して納得いかないと首をかしげる人もいるかもしれなません。まず、なぜそうなるのかを見ていきましょう。

有酸素運動といわれているものの多くは、実際に、運動時の心拍数が最大心拍数(心拍数の上限値)の50〜70%の間に入ってしまうものを指します。これでは、糖質代謝が中心になって、
実際に脂肪が燃える効率は低くなります。
冒頭で話した、体脂肪が一番消費されやすい前提条件の一つである「安静時または緩やかな運動」とは、純粋有酸素運動を指します。

この時に、大量の酸素を体内に取り込み、その取り込んだ酸素を体の隅々まで運搬しさえすれば、脂質代謝が盛んに行われます。

では、純粋有酸素運動とはどんなものでしょうか。
純粋有酸素運動には二つの特徴があります。
一つ、大量の酸素を肺に入れ、血液に取り込むこと。
二つ、新鮮な酸素を含む血液を全身の隅々に送れるように、体液の循環をよくすること。

以上の二つの特徴を最大限に活かせるものこそがベストです。

さて、それはいったいどんな運動なのでしょうか。 まずは不適格者を脱落させておきましょう。
一つ目の特徴そのものからして、 呼吸の換気効率(酸素と炭酸ガスの交換効率)を妨げるような運動は論外です。 短い呼吸、荒い呼吸、口呼吸、息苦しい呼吸を伴うような運動はまず、この第一の特徴に当てはまりません。

そして二つ目の特徴からすると、骨格筋だけの血液循環ではなく全身の血液循環が求められます。全身の隅々に、特にエネルギー生産量の多い内臓に多くの血液を送ることを邪魔するような運動は対象外です。

そう考えると、体を動かすほとんどの運動は、純粋有酸素運動ではない、といえるのではないでしょうか。これは、運動のほかの効用を否定するわけではありません。ここで問題にしているのは、「肥満解消が目的なら」、体を動かすほとんどの運動はお門違いだ、ということです。

では、二つの特徴を最大限にいかせるものは何でしょうか。ぜひ、続きをご覧ください。

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■ まとめ

  • 筋肉運動をすればするほど、内臓の血液循環が悪くなり、内臓脂肪を効率よく減らせなくなります。
  • 基礎代謝を高めることが目的であれば、筋肉運動は効率が悪く、本末転倒な対処法になってしまいます。
  • 一般に有酸素運動とされているほとんどの運動は酸素の供給効率の最大化を邪魔します。

 

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